ブログノベル「夢」
わたし…、ずっと前から、あなたのことが…、好きでした!付き合って下さい!
え?うそ…、も、もちろん!やった!!僕の方こそ君のことが好きだった!君と付き合えることが出来るなんて!これはまるで、夢のようだ!!!
…………あ…、そうか…、
これは、夢だ……。
………。
やっぱり夢だった。
いつの間にか寝ちゃってたのか。
いつもそうだ、嬉しいことがあっても、不意にこれは夢だと気づいてしまう。
夢の中で。
せめて、夢の中でくらい、夢だということも忘れて、楽しくいられたらいいのに。
あの時もそうだ。大好きなアイスクリームがうちの冷凍庫に山ほど入っていた時、すぐに気づいた。いや、こんなの買った覚えない。これは夢だ。って。
せめて夢の中でくらいアイスを山ほど食べたいよ。現実でそんなことしたら、絶対お腹壊すんだから。
はあーー。
自分は、現実主義者ってことなのかな、夢みたいな事を信じられないというか。まあでも、それで助かったこともいくつかある。
それは、怖〜い夢を見た時だ。
ゾンビの集団に襲われて、もう逃げ道も絶たれた。あとは、ゾンビのエサになるしかない。って時に、いやまてよ、こんなことありえない。これは夢だ。って覚めることが出来る。
あーあ、でも嬉しい時は、覚めたくないし、怖い時は覚めたい。都合良くいかないもんなんだなー。
テレビもろくなのやってないし。
昨夜のホラー番組の絵の話題と、深夜の事故のニュース。
とりあえず、学校行くかー。
今日は体育館で、逆立ちの稽古があるからな。
えーっと、ビデオカメラも持ったし、準備OKだな。
さて、行くか。っとその前に、今の時間は…、今日は、レンタルショップに行く日だったじゃないか。学校行く前によって行こう。
にしても、せっかくの誕生日だってのに、昼からレンタルショップも切ないよなー。
って、バカバカバカ。
今日は、勝負の日でもあるんだ。
あの子に告白する。
そうか、だからあんな夢を見たのかも、
きっとそうだ!気合い入れていかないとな!
さあ、しゅっぱーつ!
ん?今日はあれか、近所の会社が毎年やってるマラソン大会の日か。
それにしても、今年は、やけに女性ばかりだなー。先頭の方に1人冴えないおじさんが走ってるだけで、あとはみんな女性か…。
ん?
あんなところにナシゴレン屋さんなんてあったっけ?
しかも今、L'Arc-en-Cielのhydeが入っていかなかったか??
それにラバーガールの大水?後ろの方には、ボディービルダーのような作業員が2人。
今日は、なんだか変わった日だなー。
まるで、
夢のような……。
………。
完