ブログノベル「目覚まし時計」
ジリリリリリリリリリリリリリーーーーン!!!!!
ガチャン!!
チッチッチッチッチ
ジリリリリリリリリジリリリリリリリリーーーーーーンン!!!!!
ガチャン!!
起きない!この男、起きない!!
普通の目覚ましではダメだ!
分かっている。それは、重々承知の上だ。
だからこその、目覚まし連携が組まれたのだ。
先ずは、目覚まし時計がなる。
次に携帯のアラームが鳴る。携帯のアラームは、もちろんスヌーズも付けた上で、5分置きに10回鳴るように設定されている。
目覚ましは、時計と携帯だけではない。
テレビも自動で付くように設定されている。しかもだ、テレビとDVDが同時にオンになり、DVDプレーヤーに入っていたディスクも自動的に再生される。その内容というのが、これまたAVだ。
エロい声を聞いて起きるということじゃない。
近所にまで聞こえるんじゃないかという大音量でAVが再生される為、大恥をかくことになる。
それはそれは大恥だ。なぜなら、そんなキャラじゃないからだ。
真面目一辺倒でやってきた男だ。
AVを朝から大音量で見てるなんて近所に知られたら、これまで培ってきた信用や色々なものが崩れ落ちる。
だから、AVが再生される前の、目覚まし時計と携帯の段階で起きなければいけないという、心理的危機感も刷り込ませている。
そしてそして、目覚ましはそれだけじゃない。
さすがにAVまで再生されると近所の住人が起こしにくる。
ドンドンドンドンドン!!!!
テレビの音もれてますよー!うるさいですよー!!やばいですよーー!!!
といった感じだ。
これだけの目覚まし策があるにも関わらず、それでも起きないのがこの男。
もう、どうにもならない。
自分自身、困っているのだ。
起きれないことを重々承知していて、だからこその、様々な目覚まし連携なのだ。
それでも起きれずに、これまで沢山遅刻をしてきた。
三年寝太郎もびっくりな位起きない男なのだ。
しかし、
そんな起きない男が、
ただ一つ、確実に起きれる方法が、ついに判明した!
その方法とは、
極々単純ではあるのだが、意外と難しい。
簡単に言ってしまえば、人に起こしてもらう。
ただ、そういうことなのだが、これには条件があるのだ。
誰でもいいわけではない。
先ずそこが難しい。
自分の愛する人でなければダメなのだ。
そうなると、この世にたった1人しかいない。
そして、条件はそれだけではないのだ。
例え、愛する人だったとしても、起こし方を間違うと起こすことができない。
更には、その起こし方というのは、人によっては、やるのをためらう人もいる。
いや、多分、およそ殆どの人が嫌がるだろう。
その方法で起こすことを。
では、一体、その起こす方法もは、
どんなものなのか、
みなさんよろしいでしょうか?
言いますよー!
その方法とは…。
お尻をその男の顔面に乗っける。だ。
完