ブログノベル「ボディービルダー」
いっち、にー、さんっ、しっ、ごっ、ろっく、しち、はっち、きゅー、じゅっ。
ふーっ、
はあ、
ふーっ、
はあぁぁぁ、
よっし!
いっち、にー、さんっ、しっ、ごっ、ろくっ、しっち、はっち、きゅー、じゅっ。
ふぅーーっ!!
さて?何をしているのでしょうか??
あ、簡単だって?
そんなのマッスル!マッスル!
ハッスル!ハッスル!
ウェートトレーニングに決まってるだろ!だって?
ハハハハハハハハハハ。
もっと分かりやすく言ってくれよ。
そう。
筋トレ。
筋力トレーニングさ。
おっと、筋肉トレーニングだって?
まあ、確かに、それも間違ってはいないかな。
筋肉を鍛えるには変わりないからね。
って、そんなことは置いといて。
今日は、僕が昔、ジムで筋トレ中に見たお話をするよ。
腹筋しながら聞いてくれよな!
いや、うそうそ!
そのままの、リラックスした状態で聞いてくれ。
これは、俺が体験した、本当にあった話だ。
あれは、そう、ジメジメと蒸し暑い頃の…。って、おいおい、ホラーはやめてくれだって?
大丈夫!
この話は、ホラーの話じゃないのさ。
まあ、受け取りようによっては、ホラーに聞こえなくもないけど!
俺が話すのは、大体、筋トレの話と相場が決まっているのさ!
なんだって?
大体じゃなくて、全部だって?
おいおい、
その通りさ!
じゃ、続きを話すよ。
あれは、まだ俺の上腕二頭筋もおぼつかない頃のことだ。
その日は、いつものように、ダンベルを使ったトレーニングのスタンディング アームカールをやっていた。
当時の俺が通っていたジムは、市が経営してるところでな、うん、そりゃその頃からGOLDジムの存在は知っていたさ、だけど、その頃の俺はとてまGOLDジムに通えるようなボディはしてなかったのさ…、ってか単純に、市の経営してるジムは安いからな!
まあそんな感じで、トレーニングをやってたのよ!そしたら、どうなったと思う?
わっかんねーかー、わっかんねーだろーなー。
俺がトレーニングしてる所へ、4人組のまあまあなボディーしてるやつらがやって来たのよ。
それで、どうやら、その中の一番細いやつを残りの3人で鍛えてやってるんだけど、そのやりとりがなかなかなもんでな。
鏡の前に細い男を立たせて、スタンディング アームカールをさせてるんだけど、
その周りにあとのまあまあマッチョな男3人が群がって、真ん中の細い男の体をベタベタ触るわけさ。
いや、あるよ!ウェイトトレーニングしてたらそーゆことはさ。
勘違いするなよ。ウェイトトレーニングの一番重要なポイントはフォームだ。
そのフォームが崩れないように、パートナーが補助をするのは、極々当たり前のことなんだ。
だがな、
その時のそれは、本来のそれとは、どーにも違って見えたのよ。
1人は片膝ついて、細男の右側で太ももをペタペタ触ってる訳さ、まあ、スタンディングアームカールってのは、上腕二頭筋だけの力でダンベルを挙げるのが大事だから、膝を曲げて反動の力で持ち上げようとすることはよくあるからな。
太ももをチェックするのは、当然といえば当然なんだが…、まあ、1人はそんな感じさ。
で、もう一人は、細男の左側で細男の腕をペタペタ触ってるのさ。それも反動で挙げないようにチェックしてるといえば、してるわけさ。
そして、極め付けは最後のもう一人。
細男の後ろでしゃがみ、細男のお尻を触ってる訳さ、しかも顔がもうお尻にくっつくんじゃないかって距離でよ。
まあ、お尻の反動をチェック……いやねーよっ!
流石にそこまでお尻重要視する必要ねーよ!
そもそも既に2人の補助が付いてるのに!
だから、兎に角、その光景が異様で異様でな。
ついつい見入ってしまった訳よ。
そしたらだ!
それまでずっと腕をさわさわしてた男が俺の事に気付いてな。
で、歩みよって来るわけよ。
いや、やべーよ。今度は俺が狙われるー!と思った訳さ!
でもよくよくその男の顔を見てみたら、かの有名なボディビルダーだったんだよ。で、その男が俺に向かってこう言ったんだ。
にーちゃん、良い筋肉持ってるじゃねーか。
今ならあいつの半額、25,000円でパーソナルトレーナーについてやってもいいぜ。
完