ブログノベル「グローブ」
分からないだろうなー。
ボクシングのグローブは、素人からしたら、どれも大した差は無いように見えるかもしれない。
そりゃ、大きさの違いなら見れば分かるかもしれないが、全く同じサイズのグローブだったとしても、製造メーカーが変われば、その質も変わってくる。
例えば、有名な話でいうと、メキシコ製のグローブは、拳の部分の皮が薄く作られている。
その為、パンチをヒットさせると、拳の硬さがダイレクトに相手に伝わる為、相手に与えるダメージが、他の製造メーカーのグローブより大きい。
握りやすさや、締め付け具合も、自身で選んだ製造メーカーのグローブじゃないと嫌だ!って選手もいる。
その辺なら、まあまだ分かるが、
全く同じ製造メーカーのグローブだったとしても、カラーによって違いが出てくるというのだ。
それは、側から見たら全く分からない微々たる違いなのだが、こと試合に臨む選手にとっては大きい。
《グローブのカラーによる違いとは?》
ホワイトとブラックでは、ホワイトの方が膨張色である為、相手からはパンチが大きく、見えやすい。
逆にブラックは、締まって見える為、相手からは、パンチがコンパクトで見えにくい。
これは、極々微々たる違いでしかないのだが、
試合の規模や選手同士の力が大きくなれば、なるほど、僅かな差で勝敗が喫してしまうこともある為、より慎重になるのだ…。
まあ、そんなこんなでね、ジムの中をぐるっと見てもらえれば、お分かり頂けると思うが、うちでは全てのグローブをブラックに統一してあります。
普段の練習から常にブラックのグローブに慣らしておく事で、パンチが来た時の反射速度、動体視力を鍛えております。
なるほど…、確かにグローブはもちろんの事ながら全てのカラーをブラックに統一してるのは、世界でここだけではないでしょうか。
まさか、リングも真っ黒だなんて…。
極め付けは、彼だ。
ああ、あいつは、うちの今1番の選手です。
あ、勘違いしないでくださいね。
あいつは列記とした日本人です。
両親も完全純血の日本人。
え?じゃあ、あの肌の色は…、
焼かせました。
え!?
全身ね。
あそこに置いてあるマシーンはそれだったんですか。
ええ、うちは最新の日焼けマシーンを取り扱っています。
そして、プロを目指すやつらはみ〜〜んな焼かせてます。
本当に…、まるで黒人ですね。
それだけじゃありませんよ。歯も綺麗にしています。プロを目指すやつらはみ〜〜んなホワイトニングを施して笑うと歯だけ真っ白に光るんです。
それを試合中も見せる。例え、良いパンチを貰ってピンチに陥っても、笑うように練習でさせているんですよ。
徹底していますね。
そうすると、さぞ選手達も強者揃いということになりますね。
では、先ほどの選手の紹介をしていきたいと思います。
ブラックブラックジムの期待のホープ、「黒肌 黒人」さん!!
戦績の方は………、
0勝5敗、(5KO負け)
………。
完