佐藤さんの非日常な日記

日常にありそうでない、体験…。

ブログノベル「昼休憩 ~現場作業員の昼 その1~」

今日は早朝4時からの早出。

梅雨の時期、じとじと蒸し暑く小雨の降る中の現場仕事はなかなかの苦行であった。

仕事はスムーズに進んでいたが、途中現場の入り口付近でモメ事があったようだ。

現場の足場から下を見下ろすと、若いチャラチャラした男が5〜6人で何かモメている。

現場の人間は関係なく、内輪もめだろう。

日曜日の早朝に繁華街の現場に来るとよくある出来事だ。

大体、ホストかキャバクラの、男や女がベロベロに酔っ払った状態でギャーギャー騒いでいる。

その場に座り込んだり、タバコをふかしている。

もし、現場の人間ともめているのだったら、スマホを取り出し、動画で撮影しながら、混ざろうと考えていたが、何も起きなかった。

 

仕事の昼休憩で「ナシゴレン屋さん」に入った。

「ナシゴレン」というものを俺は食べたことがなかった。なんだか名前からして洒落てる感じで、なんだか食べる気にならなかったから…、というか、男で「ナシゴレンの店行こうぜ!」なんて言うやつが存在するのかの方が気掛かりだ。

そもそも、ナシゴレンがどのジャンルになるのかも分からない。

和食? な訳ない。

中華? 違う気がする。

洋食? あり得る。

イタリアン? ちょっと違うかなー。

フレンチ? あり得る。

全くの謎だ。

とは言いながらも、なんとなく察しはついている。

確か、ハンバーグの上になんか色々乗っかってるようなやつだろう。

何故、そんな普段食べない得体の知れない食べ物を、日曜日の現場仕事の昼休憩に食べに行くことになったのかというと、

 

分からない…。

 

なんでだっけ?

 

まあいい、なにわともあれ、店に入った。

 

店の雰囲気はアジアンテイストとういうのか、そんな雰囲気。

席に座ると、先輩の大水さんがもう先に食べていた。

大水さんとは、お笑い芸人「ラバーガール」の大水さんだ。

大水さんがいつから先輩だったのかは思い出せない。

向こうの席には、L'Arc-en-Cielのhydeもいる。何かの撮影スタッフと打ち合わせ中のようだ。

まあ、どうだろうか、普通に考えたら、hydeの前では、ラバーガールの大水さんも霞むが、そもそもhydeがいるからといって取り立てて騒ぐ程のことはない。ごくごく当たり前のことだ。

なんでかな。

普通に、日常的な感覚だ。

ラバーガールの大水さんが、先輩にいることも。

L'Arc-en-Cielのhydeが隣の席で打ち合わせしてることも。

一度も食べたことのない「ナシゴレン」を食べに、仕事の同僚とお店にくることも。

至って日常的な出来事だ。

一緒に来た同僚というのは…、

 

あれ?

 

誰だっけ?

 

なんだか印象が薄いような感覚で、

同僚の名前が思い出せない。

 

まあ、でもどうでもいいか、そんなこと。

 

同僚の名前がなんだろうが、別にどうでもいいことだ。

 

それよりも、「ナシゴレン」だ!

そもそもよく分かってないから、先ずはメニューを見よう!

そうすれば、「ナシゴレン」の正体がつかめる!

 

よし!

 

見るぞ!!

 

続く…。