ブログノベル「突破 ~ある男の冒険 その2~」
僕は、レンタルショップのアダルトコーナーに入る!!
その為に、数ヶ月間、入念な調査をして、遂に安全にアダルトコーナーに入る日程を割り出した。
それが今日!!
の、筈だった。
不意に現れた2人のヤンキーギャルによって、
僕のすべての計算を狂わされた。
このまま、夢ついえるのか…。
いやだ!
僕はなんとしても、アダルトコーナーに入るんだ!
落ち着け!
急なハプニングで取り乱したが、冷静に考えれば簡単な事だった。
「心はホット、頭はクールに」だ!
待てばいいんだ。
ヤンキーギャルが帰るまで、もしくは、あのコーナーから移動するまでの少しの間、新作コーナーにでも入り浸って、待てばいい。
ただそれだけのことだったのだ。
ふぅ、時間も15時までは、それほど人も増えまい。まだ余裕は全然ある。
ゆっくり待とう。
…。
…。
…。
な、
なんなんだ…、
あのYG(ヤンキーギャル)は!?
かれこれ40分以上、プロレスコーナーを吟味している。
一体何を探ってるというんだ?
そういえば、さっきからずっと、スマホを見ながら何か喋ってるな。
ちょっとプロレスコーナー隣にある、お笑いコーナーを見に行くフリをして、様子を覗いて来よう。
『わー!コインありがとう!このまま次枠もいっちゃおうかなー』
!?
ま、まさか、あれは、
スマートフォンカメラを使って、現在の自分たちの状況を生放送LIVE配信する、ツイキャス!?
なんてこった!!
1番エゲツないことをしていた。
ツイキャスは1放送が30分までと決まってはいるが、閲覧者からコインを5つ貰うことで、最大180分まで延長出来る。
と、言うことは、下手したら15時まであの付近にいることも考えられる!
それだけじゃない。
あんなLIVE配信中にアダルトコーナーに入っていく人間を見つけたら、ネタにされるのが目に見えている。
終わった…。
数ヶ月を費やした調査も、全くの無駄におわ…、
いや待て!あれは!?
AP!?
アダルトプロレスのおっさん!
(APとは、アダルトプロレスの略称。アダルトコーナーとプロレスコーナーを頻繁に出入りするという、ただそれだけだ。)
そうだ、この時間帯はAPの時間帯でもある。
APが来ればなんとかなるかもしれない!
作戦は2通りある。
1. jkの的がAPになり、jkがAPに夢中になってる隙に、アダルトコーナーに潜入する。
2. APの雰囲気に押され、jkが帰る。
プラン2.になれば1番好都合だが、そう都合良くはいかないだろう。
だからここは、APが囮になってくれてる間に突破する!
さあ!どうする!YGよ!
「はー飽きた!帰ろー」
な、なんと!
やった!!
作戦とは違ったが、邪魔者は去った!これで
夢のアダルトコーナーに入れる…!?
トントン
肩を叩かれた。
店長!?
店長「小学生はここは入れないよ」
完