佐藤さんの非日常な日記

日常にありそうでない、体験…。

ブログノベル「完璧な作戦 ~ある男の冒険 その1~」

ふぅ。

 

時刻は正午1時。近くの会社のサラリーマン達の休憩時間も終わった頃だろう。

この時間が計画を実行するのに1番都合の良い時間だ。

早すぎてもダメ。遅過ぎてもダメ。

この時間だ。この時間がベスト オブ ベスト。

人の出入りが1番少ない。それに伴い、セキュリティーも甘くなる。

セキュリティーというか、人員が減る。

月曜日のこの時間は、人員がいない。

甘そうなおっさん1人になる。

事前に毎日、バラバラの時間に何度も調査し、見つけた唯一のチャンスだ。

今日…

 

俺は…

 

ゲートをくぐる!

 

禁断の門を通り抜ける!

 

いざ、大人の世界へ!

 

やってきたのは、

DVDレンタルショップ。

目指す先は、

アダルトコーナーだ。

 

平日月曜日の昼過ぎが1番、利用する人間が少ない。尚且つ、店員もしわがれたおっちゃん1人。

 

今日こそ禁断のアダルトDVDを借りるのだ!

 

意気揚々と真っ直ぐアダルトコーナーに向かった。

と、そこで、事態は急変した。

 

jkだ…。

 

(jkとは、女子高生の略で、アダルトコーナーに入るまでの最も危険な障害である。)

 

何故だ!?

この時間に高校生が現れる筈は絶対にない!

だが現実に、そこにjkがいる!

 

くっ!どうして?

 

はっ!!?

 

あれは!?

 

2016年、最早存在しないものと思われていた、あれは、ルーズソックス!?

 

し、しかも!!金髪パッキン!!!??

 

と、言うことは、jkの中でも1番危険な存在。

S級の危険指定生物ともされる。

 

「ヤンキーギャル!?」

 

そうか、奴ら、俗にいう、サボり と言うやつか。

 

不味いことになった。

 

あんなのに入る所を見つかったら、有る事無い事散々噂される!それだけでは、済まない!

今時、Twitter、LINE、facebook、あらゆるSNSで拡散され、下手したら、「キモい男がアダルトコーナーに入っていく姿を激写!」みたいなタイトルでYouTubeにアップロードされるかもしれない。

 

奴らがいるコーナーは、アダルトコーナーのすぐそばの…、

 

プ!!    

プロレスコーナーだと!!?

 

くっ、ヤンキーギャルがプロレスを見るなんて、聞いてないぞ!

 

これまでの計算では、唯一、この時間帯でアダルトコーナー付近に現れる可能性のある人間は、プロレス好きの、いい歳したおっさん!

 

仮にアダルトコーナーに入る姿を見られた所でなんのことはない。

 

完全に計算が狂った!

 

このまま、諦めるのか!?

 

しかし、そうすると、また1週間先になってしまう。

いや、たかだか、1週間だ。

ここで、一生モノのダメージを負う位なら、

1週間我慢した方が…、

 

いやダメだ!!

 

来週から、夏休みに入る!!

だからこその今日だったのだ!!

今日を逃したら、1ヶ月は、チャンスは来ない。

 

今日しかない…。

 

今日突破するんだ!!

 

 

つづく。